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スマイルジョインズ  メンバーコラム No.2

メンバーのコラム<No.2>

一人ぼっちの精神障がい者をなくせ。〈No.2〉

せっかく僕を助けてくれた母親ではあるが、
僕は小さい時、自分の家のしつけについて恨みを持っていた。
それで僕は母親とあまり話をしなくなった。
コミュニケーションの欠落である。
友達も少ない劣等感だらけの自分にとって、すごい痛手であった。
このあたりの自分の心はざらついていた。

相談する人も見つからず、勉強の方向性も定まらず、将来は閉ざされていた。
僕は若い時、三年間片想いの女性がいた。とにかく憧れの女性で人生を捧げても、
自分の全てを注ぎ込んでも惜しくない、そんな気持ちになってしまっていた。
そこまで想っていた。
だけど、それをすぐにその女性に打ち明ける勇気はなかった。
そして、それが結果的には自分に病気を招くことになった。
高校時代、僕は成績は最初は良かった。
しかし、顔はニキビだらけで醜い顔をしていた。
幼さも加わって、それがその女性に打ち明けるのをはばからせていた。
雑念が入り成績は下がった。
僕は一人で恋に、勉学に悩んでいた。八方ふさがりに見えたが一つだけ突破口があった。
ここで僕は大きなミスをしてしまった。現役で大学に受かった。
それなのに、それを自分の愚かな見栄のために蹴ってしまったのである。
突破口を自ら潰してしまったのである。
浪人一浪目一学期までは良かった。夢に希望に燃えていた。
そのうちに自分の学力が予備校に行ける程にもないことがなんとなく分かってきた。
しかし、それさえもはっきり認識できない予備校生だった。
後悔先に立たずであり、僕はバカだった。

秋にその女性に電話した。
声を聴いて会ってくれなければ、すぐ切ろうと思っていた。
会ってくれと頼んだが、忙しくて会えないと聞き、「バイバイ」と僕が言ったところで、
「冷たくしないで」と言われて張り詰めていた気持ちが緩んだ。
暫く世間話をして、彼女の冷たさも少し感じて、「付き合っている人がいるのか?」との問いに、「一応」と答えが返ってきた。
その時に、その言葉で大きなショックを受けた。
頭の中に衝撃が走った。
三日間ぐらい一睡も出来ず、それから広い場所が怖くなり、三か月ぐらい外出することが出来なかった。
頭が壊れてしまった。
その時ぐらいから、一浪目はずっと寝てた。

菊池 初(仮名)

更新日:2023年11月10日