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スマイルジョインズ  メンバーコラム No.4

メンバーのコラム<No.4>

一人ぼっちの精神障がい者をなくせ〈No.4〉

新しい年度を迎える時がやってきた。
大学生二年目は、一年生からのやり直しなのだが、話せる友達を作りたいため部活は敢えて演劇部に入った。
そこではイイ仲間が出来て、大変楽しい大学生活を送ることが出来た。
夏、冬、春、の長期休みは郵便局でアルバイトをして、日曜日は東京の武蔵野市にある教会に通った。
振り返れば、その習慣とマイペースの生活で気持ちがだいぶ楽になっていったと思う。
大学五年目になり、就職は有難いことに国内商社に入ることが出来た。
その時、僕は25歳だった。

最初は営業から始めたが、すぐに疲れてしまい、家に帰りたいけど帰れず、休みたいけど休めず、眠りたいけど横になれず、辛い毎日だった。
一日のうちで休憩時間は昼飯を食べる時間しかなかった。そのうち、もう耐えられず昼休みはそっと事務室を抜け出し、人のいない倉庫の二階や三階に隠れて寝ていた。
営業の仕事では役に立たず、すぐに配達、倉庫管理に仕事が変わった。
仕事はホントに辛かった。
仕事が辛い時、今目の前にある仕事を全部終わらすことが出来れば、次の仕事をする時の自信に繋がるだろうと、逃げ出したい思いを抑えるため自分にそう言い聞かせながら働いた。
仕事は、自分にとっては大変な集中力、忍耐力、精神力、記憶力等が必要だった。
しかしミスは多く、動作は緩慢で、上司に毎日のように怒られていた。
自分は頑張っているとは思っていたが、月に一度くらい一日寝ていたいという衝動からずる休みをしていた。
対人関係については、今その時に接している人と、とにかく上手く付き合えるよう努めた。それが上手くいけば、順々に全ての人と上手く付き合っていけるだろうと、密かに思っていた。
上司や同僚には自分の病気のことは黙っていた。

最初の10年くらいは友達も出来なかったが、幸い、その後職場の中に親しい友達が出来たので、仕事をする上で前向きに取り組むことが出来た。
そんな時僕は、人は一人っきりでは生きていけないものなんだなあ、と思った。
また、子供の時から通っていた、教会に集まる仲間との付き合いも励みになった。
そして、そこで出会った女性と結婚することが出来た。
自分の病気を理解してもらえていた人だったが、残念なことに後に性格の不一致で別れた。
37歳の時のことである。

菊池 初(仮名)

更新日:2023年12月27日

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